旅に必要な時間

「ここ東海岸のコタバルから、なんとか楽に西海岸に出られないものかね。」

ホテルの部屋で、もうかれこれ2時間、ガイドブックに付いている
マレーシアの地図を睨み続けている。
コタバルから各地に伸びるそれぞれの主要道路を指でなぞってみては、
その距離の長さに挫けてしまう自分。

手足に出来た水泡痕の傷も気にはなるのだけれど、
ホテル前の薬屋で「抗アレルギー剤」やガーゼも買った事だし、
そろそろ何処かの島で、再び釣りと水浴びの日々を過ごしたいのだよ。

飛行機だとね、結局クアラ・ルンプールまで戻らなきゃいかんのだよ。
今回の旅で何回首都クアラ・ルンプールに戻ってるんだ?
ということで空路はすでに却下。
あとは陸路しか残されておらず、「楽に西海岸まで」は無理な話。

どのみち苦の道。ならば・・・。
知り合いも多いパンコール島に戻ろうと、
島との船の発着場所にあたるルムッまでのバスチケットを購入。
予定よりもだいぶ早く戻るカタチになるけれど、まっいいか。

コタバル→ルムッのバスチケット代38RM(約1140円)。
明日はルムッまで7時間のバス移動になる。正直ゲッソリ。

でもね、地図と睨めっこしながら、その道の先にある町や島、
果たしてそこは自分にとって「当たり」なのか「はずれ」なのか、
などという期待と不安を胸に、いろんな事をイメージするのも
ボクの旅には必要な時間なのだよ_____________。