祝・室戸高校ベスト8

『室戸市』は高知県の東の端に位置し、
台風のシーズン等は、高知市内の『桂浜』と並んで
『室戸岬』からのTV中継もよく見られる。
もともと漁師町で、その昔、遠洋漁業が盛んな頃は、
自分の名字である「冨岡」家も、この町に住み、
大勢の漁師さん達を集め、大海原に船を出していた。
要するに今は亡き父親の実家があったのだよ。

自分が幼い頃から父親が亡くなる小学校高学年の頃まで、
父親の車で『室戸』に遊びに行くのが毎年夏休みの
楽しみだったし、父親が亡くなった後も、家出と称して
100km近い距離を自転車を漕いで行ったりもした。
10年ほど前、アメリカンバイクにまたがって行ったのが、
久しぶりにして最後になってしまっているけれど、
その時も誰もが温かく迎えてくれた事を今でも覚えている。

長期間の漁を終えて帰って来た漁師さん達を
家の広間に集め、労いの宴会をする時に必ずといっていいほど
歌われる歌に『おいらの船は300トン』という歌がある。
その宴会自体は自分が生まれる前の話なので、
当然記憶にはないけれど、この歌の1コーラス目ぐらいまでなら、
何故か今でも歌詞を見なくても唄える。

遠洋漁業が衰退してからこっち、
過疎化も進み、町から消えた漁師町独特の活気。
それでも『室戸』には、少々荒くれなオンチャンや
気さくな笑顔のオバチャンや、都会ではめったにみられない
全く垢抜けしていない陽気な人々が住んでいる。

今年の春の選抜高校野球に『室戸高校』が選ばれた。
もちろん春夏通しての初出場に、室戸に住む人々は
以前の活気を取り戻したかのようにお祭り騒ぎになったらしい。
けれど1回戦の対戦相手は名門・報徳学園で、誰もが
「コールド負けばぁ点差をつけられたら可哀想で見てられんねぇ。」
と、野球部ナインにはまったくもって失礼な話ではあるけれど、
本気でそんな心配を口にしていたという。

その室戸高校が数々の奇跡的なファインプレーを見せた結果、
ホント奇跡的に報徳学園に勝ってしまい、
そして今日、「もぅ満足やし、もぅ無理やろ。」という、
自分を含めた失礼なファン達の予想を裏切り、
山口・宇部商業に勝ってしまった。
TVの前で、しかも高校野球を観て泣いたのは生まれて初めてだ。

おめでとう、室戸高校。
おめでとう、室戸で暮らす人々よ。
そしてありがとう。

でもたぶん次が本当に最後やろーと思うし(失礼)、
甲子園での野球を思いっきり楽しんで、
負けても堂々と胸を張って室戸に帰ったらえいぜよ!

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