世界共通ウラオモテ

「ツカサ〜ン♪良いオトコねっ♪」と、
鼻にかかった甘え口調でそう言ったかと思えば、
すぐにそっぽを向き、さっきより1オクターブ低い声色で
「でもアタシのタイプじゃないのよね。」
と、早口で吐き捨てる彼。
そう、彼はオカマである。

「NIPAH BAY VILLA(ニッパーベイビラ)」の
スタッフの中では古株の彼。ボクが一番最初に
この島にやって来た10年前は、それはそれは
純情そうなオカマ少年だったのに、今では厭味のひとつどころか、
ふたつもみっつもこれでもかと言うくらいの「立派なオカマ」になった。
そんな彼とお喋りをしながら、
なるほど、オカマの仕草や厭味の言い方は世界共通なんだな、と、
仲の良い新宿2丁目のマスターやその友人を思い出すひととき。

ちなみに彼はインドネシア出身。
ミス・インドネシア。バナナジュースをちょうだい。」
そっぽを向いた彼にそう言うと、
「あらぁいやだぁ〜。超特急で作らせるわね〜♪」
と、弾んだ声の返事が返ってくる。

なるほど、喜ばせるコツも世界共通らしい_____。