友人は師でもあるというお話

ニューヨーク・マンハッタンの先っちょから出るフェリーに乗ってスタッテン島にあるベースボールスタジアムにヤンキースとメッツの下部組織チームのナイター試合を二人で観戦しに行ったあの夏の夜から約3年。改めて思うと、そんなに長い月日が経っていたのかと思うけれど、焼き鳥屋の奥のテーブルから「ツカサくんこっちこっち!」と、相変わらず人懐っこい笑顔で手を振る彼に、つい先週も会ったかのような錯覚に陥ってしまう3年ぶりの友人I氏との再会。

まぁボクの方は、東京オリンピック招致活動の頃に、猪瀨・元東京都知事や滝川クリステルらが映し出されるテレビ画面の端の方で、裏方として額に汗しながら画面に見切れて映ったりする彼の姿を見ていたせいもあり、久しぶりといった感じもしないのだけれど。

様々な紆余曲折を経て、元の全国紙の新聞記者に戻った彼と焼き鳥の串を片手に「前よりほんのぴっとだけ肩書きが偉ろーなっただけで給料はそんなにかーらん。」だとか「まぁまっこと人生ち面白いねぇ。」と、同郷訛りで笑い合う夜。
オリンピック招致での苦労はもちろんの事、現在も週の大半、全国各地を講演や取材で飛び回っている多忙な身でありながら、地元の少年野球チームの監督として子供たちを指導しているばかりか、その子らの練習や試合の様子を親御さんあてに「こっちはたった十数名しかおらん読者やけんどね。」と、記事風にして配信しているあたり、なかなかやりますこの男。

要するに、「やっている事をちゃんとやっている人間は強い」という当たり前でありながら、じゃあやれと言われれば面倒臭いだとかでなかなか出来ない事を、「やればやったで楽しいぜ。」と相変わらず人懐っこい笑顔で笑う友人I氏に、関係の無いこちらまでも胸を張れる気持ちの良い雨上がりの新宿の夜___。

日記