面倒臭さがもたらす悟り-伊平屋9日目前半-

伊平屋島は明日からの2日間村祭りが開催される予定で、島の友人たちの多くも祭り会場の設営やそれに関した仕事に忙しい日中。
ボクはというと、そう言えば今回は伊平屋の海や景色の写真をろくに撮ってもいないな、と車で出掛けようと手頃な車を探すも、どれも空いておらず、宿の家族が経営する某電設工事会社まで行き、その敷地内に駐めてある、たぶん緊急時以外は誰も使用していないであろうスターターの壊れたオンボロの原付バイクに跨がりキック一発スタート、海を目指す。

「ぬ〜すんだバ〜イクでは〜しりだすぅ〜♪」

尾崎豊の歌に出てくるバイクはきっと、こんな原付バイクであるはずもないのだろうけれど、とりあえず尾崎豊のモノマネをしながら唄い、少し走ったところで、自分がノーヘルで走っている事に気づく。あぶねっ、此処はパンコール島ぢゃなかった、いやいや、パンコール島もヘルメットはちゃんと着用義務があるのだけれども。荷台の中のヘルメットを取り出し、それを被り再び発進。

野甫大橋の上から伊平屋の海の写真を撮り始めるも、よくよく考えれば、都会ならまだしもこんな自然たっぷりの島の景色が1年でガラリと変わるはずもなく、毎年毎年同じ景色を同じアングルから撮っていても、違うのは雲ぐらいぢゃなかろーか? と思い、数枚だけ撮った後は、橋の上から見える海中の大型の魚たちを「あ〜釣り竿持ってくれば良かった。」と、ヨダレを橋の上から垂らしながら眺めていたのだよ___。